なぜ私はTeXを使えるようになったか
TeXには昔から憧れがありましたが,学部のときに馴染めず,修士のときに馴染めず,結局Wordで論文を書いていました.社会人を経たあとの博士課程(※)で遂に使えるようになったので,その理由を分析してみようと思います.
※社会人を経て博士課程に進学した件については,時効だと思ったら書きます.
原因は私個人
簡潔に書く意識とフォーマットに従う意識の不足
学生のときは,多く書けばそれだけ伝わると信じていたので,論文なんかは少しでも多く書こうとしていました.こういう考えを持っていた場合,下図で示すように,なんらかの変更に対して,体裁がリアルタイムで変わるWordは,少しでも多く書くための微調整にあたって都合がよかったのです.
段落「あ」の行数が1行減るまでFig.1のサイズを小さくしていく,
といった調整がWordだとやりやすい.
多くの人に説明して回るような仕事を何年かすると,簡潔に書くことの必要性が肌でわかります.社会に出て文章を簡潔にする努力を続けた結果,画像サイズやレイアウトの調整ではなく,文章を簡潔にすることの方がよい,と考えるようになりました.これが,TeXを使えるようになった一つ目の理由です.