四畳間

幼女の備忘録と感想文

Linux mintにVirtualBoxを入れて,Windows95とWindows98を入れた話

1. まえがき

 正月休みに実家の片付けをしたら,Windows95Windows98のセットアップCDが出てきた.95と98じゃないとできないことなんて無いんだけど,面白そうなので使ってみる.

 

2. Windows95と98をインストールするマシン

 

3. Windows95のインストール

 ポイントを先に書いておく.Windows95はCDブードができないので,セットアップCD内のインストーラを起動するためのDOSをあらかじめ準備しておく必要がある.

 

3.1. 仮想マシンの準備

 VirtualBox5.2上に仮想マシンを作成する.
今回はFreeDOSをインストールしてその上にWIndows95を入れるという方法をとるので,仮想マシンを作成する段階ではDOS用の設定とする. 仮想マシンの設定は基本的に公式(http://wiki.freedos.org/wiki/index.php/VirtualBox)に従えばOK.  
 上記に対して変える必要があるのはストレージ可変の可否で,Fixed sizeを選択する.FreeDOSだけであればどちらでもいいけど,Windowsを入れるのであれば固定にしたほうがいいっぽい.

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3.2. Free DOS1.2のインストール

 インストーラはここ(https://www.freedos.org/download/)からダウンロードできる. 今回はネットワークには繋がないので,基本的には公式(http://wiki.freedos.org/wiki/index.php/VirtualBox)のChapter4の途中まででOKだった.ただ,そのままではうまくいかなった点をまとめておく.

  • 公式の方法はFreeDOSをCDからインストールするんだけど,“standard”と“legacy”の両方ダメだった.うまくいくのは,FDDにBoot floppyのイメージをマウントし,CDDに“standard”のイメージをマウントし,FDからブートさせるという方法.
  • インストールの時点で,AHCIが有効になっているとなぜかインストールできなかった.インストール後はAHCIが有効でも問題なかった.

 

3.3. Windows95のインストール

 FreeDOS用に設定していた仮想マシンの設定を,Windows95用に次のように変更する.  

  • OSのタイプをWindows,バージョンをWindows95に変更.
  • CPUの速度(Execution Cap)を100%に変更
  • 準仮想化インターフェースをlegacyに変更(必須ではないっぽい)
  • 仮想化支援機能:VT-x/AMD-Vを有効化」をOFFに変更(必須ではないっぽい)
  • メインメモリとビデオメモリの容量はそれぞれ16〜128MB,32〜64MBで好きに設定すればよい.この範囲を外れると動かなくなるらしい.

あとは,Windows95のセットアップCDをマウントし,FreeDOSからCD内のインストーラを起動して,なりで進めていけばOK.

 

インストール直後から,あるいは使用しばらくして
「デバイスIOSを初期化中:
Winfows保護エラーです.コンピュータを再起動してください」
のエラーで起動しなくなることがある.この場合は「FIX95CPU.ISO」の最新版をダウンロードして,ISOイメージをマウントした状態で仮想マシンを起動してパッチを当てれば問題は解決する.

 

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3.4. ビデオドライバのインストール

 VirtualBoxにインストールしたままのWindows95は,ビデオドライバが“汎用ドライバ”になっていて640*480の16色表示となっている.そこで,別途ビデオドライバを導入する. オススメはUniversal VESA/VBE Video Display Driver(http://bearwindows.boot-land.net/vbe9x.htm)の「Release version beta 2014.02.14」のドライバ.
 これをゲストOSであるWin95のCドライブ直下等に保存して(ホストOS→ゲストOSのファイルのやりとり方法は各自任せる),「画面のプロパティ」→「『ディスプレイの詳細』タブの『ディスプレイの変更』」→「『アダプタ』タブの『変更』」→「『デバイスの選択」の『ディスク使用』」→「参照」からビデオメモリの容量に応じたドライバをインストールすれば,高解像度&高カラーで表示できるようになる.

 

 

4. Windows98のインストール

 Windows98も95と同様にCDブードができない(98SEはできる).95のインストールで使ったFreeDOSはそのままではメモリが1MBまでしか認識できないので,FreeDOSから起動した98のインストーラはインストール条件を満たさないといって処理をやめてしまう(*1,*2).
 95を先に準備していたので,先にインストールした95と98のセットアップCDを使ってMS-DOSのディスクを作成し,それを使って98をインストールする.
*1)Windows98のインストールには16MB以上のメモリが必要です,というエラーが出る.
*2)インストールの段階では1MBしかメモリを必要としないWin95って一体何者だよ.

 

4.1. 仮想マシンの準備

 仮想マシンをネットワークに接続しないのであればFreeDOSを入れたときと同じ方法・設定で仮想マシンを作成すればよい.FreeDOSのときと違う点を下記にまとめる.

  • OSのタイプをWindows,バージョンはWindows98
  • 準仮想化インターフェースをlegacyに変更(必須ではないっぽい)
  • 仮想化支援機能:VT-x/AMD-Vを有効化」をOFFに変更(最近のVirtualBoxだとONのままでよい.ONだとフリーズしまくるといったことがなければ,ONの方がむしろ軽快に動作するはず.)
  • メインメモリとビデオメモリの容量はそれぞれ16〜128MB,32〜64MBで好きに設定すればよい.この範囲を外れると動かなくなるらしい.

 

4.2. MS-DOS起動ディスクの準備

 下記の手順でWindows95の起動ディスクに手を加えて,MS-DOS起動ディスクを作成する.すなわち,下記の手順は上でインストールしたWindows95上で行う.  

  1. 空のFDのイメージを用意(*3)
  2. 「コントロールパネル」→「アプリケーションの追加と削除」→「起動ディスク」→「ディスクの作成」
  3. Windows95のCDROMを要求するメッセージが出るので、CDROMをセットしてENTER .
  4. WindowsエクスプローラでFDを開き,下記ファイルを削除.隠しファイルを表示するようにWindowsの設定を変更しないといくつかのファイルは見えないので注意.
    <削除するファイル>
    ・ATTRIB.EXE
    CHKDSK.EXE
    ・DEBUG.EXE
    ・DRVSPACE.BIN
    ・EDIT.EXE
    ・REGEDIT.EXE
    ・SCANDISK.EXE
    ・SCANDISK.INI
    ・SYS.COM
    ・UNINSTALL.EXE
    ・CONFIG.SYS
    ・AUTEXEC.BAT(これは存在しないかも)

  5. 下記をFDにコピー.確固内はコピー元の場所.
    <コピーするファイル>
    ・EMM386.EXE(C:\Windows\)
    ANSI.SYS(C:\Windows\)
    ・Mscdex.exe(C:\Windows\Command\)

  6. さらに,DOS用CDROMドライバをFDにコピー.確固内はコピー元の場所.
    <コピーするファイル>
    ・OAKCDROM.SYS(Windows98セットアップCD内のBASE5.cab\)

  7. FD内のCONFIG.SYSを下記のように修正.無い場合は新規作成.
    BUFFERS=20
    FILES=40
    DOS=HIGH,UMB
    DEVICE=HIMEM.SYS
    DEVICE=EMM386.EXE
    DEVICEHIGH=BILING.SYS
    DEVICEHIGH=JFONT.SYS /MSG=OFF
    DEVICEHIGH=JDISP.SYS /HS=LC
    DEVICEHIGH=JKEYB.SYS /106
    DEVICEHIGH=ANSI.SYS
    DEVICEHIGH=OAKCDROM.SYS /D:CD001
    LASTDRIVE=Z

  8. FD内のAUTOEXEC.BATを下記のように修正.無い場合は新規作成. 
    @ECHO OFF
    MSCDEX.EXE/D:CD001 /L:M

*3)FreeDOSのインストールディスクのイメージファイルを転用するという方法も無くはない.

 

4.3. Windows98のインストール

 FDDに上で作成したMS-DOS起動ディスクのイメージをマウントし,CDDにWindows98のセットアップCDをマウントする.FDからMS-DOSを起動するとCDはMドライブに割り当てられているはずなので,Mドライブのインストーラを起動し,あとはなりで進めていけばOK.
 私の場合はこれでWindows98が起動してそのまま使えたけど,環境によってはEMMメモリを無効化する必要があるらしい.このあたりは他の記事を参照してほしい.

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4.4. ビデオドライバのインストール

 Windows95のときと同じことをすればOK.

 

5補足

 私の環境だけかもしれないけど,起動中に2分くらいマシンが停止したようになるけど,辛抱強く待てば起動する.