四畳間

幼女の備忘録と感想文

FM-TOWNSというレトロPCについて思うこと

 

導入

レトロPCの何が良いのかという点について考えてみると,だいたい次のどれか(かその組み合わせ)なんじゃないかと思います.

①ハードのデザインが良い
②ハード・OSと触れ合う時間が良い
③代替不可能な手段である

①は,ハードのデザインが気に入っていて,壊れて起動できなくてもいいからとにかく眺めたいというものです.②は,機能維持のために部品を交換したり文書を書いたりと,明確な目的は無くてもいいので,とにかくそのハードと関わる時間に良さを感じるというものです.方向性は①と似ています.③は,あるゲームで高スコアを目指すなどという明確な目的があって,その手段がレトロPCであるというものです.

私も一人のレトロPC持ちであって,時代に逆らうだけのモチベーションがあるわけです.というわけで,自分が先の3つのなかのどのタイプなのかを解明したいと思います.前置きが長くなった結果,やや長いです.

 

目次

  1. 所有TOWNS
  2. TOWNSとの出会い 
  3. TOWNSとの再会 
  4. "うんづ"による仮想化
  5. 私にとってのレトロPC

 

1.所有TOWNS

・モデル:FM-TOWNSⅡ Fresh
・CPU:486SX(33MHz) →ODPにて486DX2(66MHz)にパワーアップ
・メモリ:6MB →12MBに増設
・HDD:内蔵170MB,外付540MB
・ディスプレイ:640*480フルカラー
・OS:TOWNSOS V2.1 L50, Windows3.1
クロック周波数とか容量の単位をはじめとして,いろんなものが懐かしいですね.OSをはじめとして何もかもが軽量なので,エディタで文書を書いている分には,スペックの低さを感じません.でも,最新のマシンの感覚でFor文なんかを回すと,マシンパワー不足を痛感します. まあ,レトロPCはスペックを語るものではないですけどね.

 

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2.TOWNSとの出会い(1998年)

TOWNSと出会ったのは小学生のときでした.当時富士通はTOWNSの教育モデルというものを販売しており,私が通っていた小学校は,コンピュータ教育の先行実験として,TOWNSを使った授業を実施していました.結局学校はWindows(※1)を選ぶのですが,結果,御役御免となったTOWNSたちは各教室に設置されます.当時の私は新しいガジェットに大喜びし,時間の限り,BASICでプログラムを作ったり,ゲーム(PANIC BALL2)で遊んだり,意味もなくフォルダ・ファイル構成を確認したりしていました.ただこのあと,小学校の卒業とともに,一旦TOWNSとはお別れになります.
※1)このときのハードがThinkPadで,私がこれがきっかけでThinkPad沼にハマることになるのはまた別の話.

 

3.TOWNSとの再会(2003年)

私がTOWNSで遊んでいたのはあくまで小学校であって,実家ではありません.中学に入ると部活やら勉強やらで忙しくなり,マイPCが手に入ったこともあり,TOWNSのことは忘れていました.何がきっかけだったか,2003年のある日,ヤフオクにハードからソフトまで全て揃ったFM-TOWNSⅡ Freshが出品されていることを知ります.そして,その年のお年玉をすべて突っ込んで,そのTOWNSを落札したのでした.いわゆる衝動買いというやつでした.そして現在に至ります.

 

4."うんづ"による仮想化(2018年)

今回これを実施した目的は,私がFM-TOWNSを持ち続けている理由が,ハードそのものにあるのか,そのハードでできることにあるのかを解明したかったからです.最初に書いた①〜③でいうと,①なのか②なのかを明らかにするということです.
どういうふうに環境構築して,どのように使っているかは下の2枚の図に示す通りです.エミュレータは”うんづ”を使い,本体から抽出したROMとシステムディスク(OS)を使って,仮想FM-TOWNSⅡ Freshの本体で,TOWNS OS V2.1 L50を動作させます.画面もいくつか示します.

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5.私にとってのレトロPC

一ヶ月くらい,”実物”を離れて”仮想”TOWNSを使ってみてわかったのですが,自分は②のパターンでした.より詳細に分析すると,実は,TOWNSであることは必要なくて,本体が必要というものでもなくて,気分転換として,今使っている環境(WindowsとかMacOSとか)とは違う環境を楽しみたいというのが根底にあるようでした(※2).そのモチベーションのもと,たまたま知っているTOWNSというハード・OSに白羽の矢が立っているという状態です.
といいつつ,自分の要求を満たしてくれるのはいまのところTOWNSしかないですし,本体が動くうちは本体を,本体が動かなくなったら仮想TOWNSを使っていくんじゃないかなと思います.
※2)といっても,マシンパワーがなさすぎて文書を書くくらいしかできません.